教訓

父の死から得たもの

みやび独立思考

「ゆるく楽に生きる」をモットーに、独立を目指す31歳サラリーマンです。 ひとりの時間を愛しています。音楽レーベル、ドラッグストア店長、住宅営業、これまで様々な職種を経験。住宅営業時代は転職してすぐに無視される経験をし、人間不信になりかけました。現在は年間休日150日ある企業で住宅アドバイザーをしています。パソコン1台で月10万円を稼いだ経験からマインドが激変、まったりした生活が継続できる毎日を構築中

今年2024年2月に父を亡くしました。70歳でした。

人生の中で親が死ぬという事は、まだまだ先のことだと思っていましたが、その時がこんなに早く来るとは夢にも思っていませんでした。

祖父(父の父)が亡くなった時に、涙ながらに遺族代表の挨拶をしていた父の姿が7年前。

私は23歳でした。

7年という期間で、父も病に倒れ、帰らぬ人となりました。

父が祖父の遺族代表の挨拶をしているときは、まさかこんなに早く祖父のところに行くとは思ってもいませんでした。

父が亡くなってからいろんなことを考えました。

私がまだ小さい頃、近くの川に、釣りに連れて行ってもらったこと。
家の庭で日が暮れるまでキャッチボールをしたこと。
地域の子供会で、十五夜相撲をするために、縄や土俵を作ってくれたこと。
私が土日に部活で試合があれば、大型バスの運転手となり、遠くまで運転してくれたこと。今となっては、すごく懐かしい思い出と感謝の気持ちが
溢れてきますが、その当時は、「当たり前」のことだと思っていました。

親が子を立派になるまで育てるということは「当たり前」のことかもしれませんが、私も自分の息子を持って、子どもを育てるということの大変さを
身を持って感じています。

私の父は、仕事から帰ってきたら、家中の掃除機をかけ、お風呂に入り、母の作った手料理を食べて、21時ごろには自分の寝室に行き
ラジオを聞きながら眠りにつく。これが父の印象です。あまり感情を表に出すことはなく、いつもクールに過ごしている印象です。
私は3人兄弟の末っ子ですが、私たち兄弟全員が、積極的に話をしてくれる父という印象は持っていません。どちらかというと、さり気なく子供が喜ぶことをするという印象でした。

私は小学校の時に、野球部に入っていたのですが、内野手からピッチャーに転向した時がありました。
「俺ピッチャーすることになったよ。」と夕ご飯の時に言うと、
次の日の夕方に父が、どこで買ってきたんだろう?という鉄の棒2本と、緑の大きなネットを、車のトランクから下ろし、庭に広げて、何かを考えていました。しばらく様子を家の中から見ていたら、鉄の棒2本を地面に埋め込み、その鉄の棒2本の間にネットを張り始め、外から父の「おーい」という声が聞こえ、行ってみると、そのネットの前で「ここに今日からボール投げろ」と言って、家の中に入り、いつも通りお風呂掃除を始めていました。

ひとりでも庭でいくらでもボールが投げられるように、父なりに考えたのだと思います。

多くを語りませんが、何かを考えさせる父でした。小さい頃は、何か思ったことがあるならはっきり言って欲しい。と思っていましたが、その優しさを照れて隠しているところに哀愁を感じるというか、父の思いというのが、今頃になってジワジワと心に染み渡ってくる感覚があります。

父が亡くなるまでは、こんなこともあまり考えたことはありませんでした。

その人への思いや、ありがたみというのは、悲しいことに失ってからしか思うこと、感じることはできません。
後悔していることは、父に一度も「ありがとう」の一言が言えなかったことです。私は父に「もっと俺たちと話してよ」と求めていましたが
私は、父に対して何もできませんでした。たったの一言の「ありがとう」も伝えることはできませんでした。

このような経験がある方はわかるかもしれませんが、こういう思いをされたことがない人は、なんとなく他人事だと思います。
私もそうでした。ただ、私の今の立場から言わせてもらうと、感謝を伝えられるうちに伝えておくことです。
これを聞いても、できないことはわかっています。ただ、まだ大事な人を失わずに一緒に過ごせているという環境にいる人が
とても羨ましいです。いくら嘆いても、後悔しても、このように悲しみを文に綴っても父は戻ってきません。これが現実です。

すごく重たい文章になったかもしれませんが、今生きていて、大事な人と入れる時間の尊さというのは、お金では買うことができません。あなたの周りの人を今日から少しでも良いので、感謝の気持ちを持って接してあげてください。今は当たり前の存在かもしれませんが、明日には当たり前ではない存在になっているかもしれません。この文章を読んで、そういう意識を持っていただける人がひとりでも増えたら嬉しいです。

それでは。

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